世の中には様々なハラスメントが横行しています。介護士が受けるハラスメントの中で、近年被害が増加しているのがカスタマーハラスメントです。
カスタマーハラスメントとは、介護現場において利用者が職員に対して行うハラスメントのことです。セクシュアルハラスメントをはじめとした悪質ないじめ行為が横行しており、介護士の離職率を高める要因の1つとして問題となっています。
介護現場において、カスタマーハラスメントが発生してしまう理由は2つあります。1つ目は、介護士を便利屋と勘違いしているという点です。近年の介護サービスは、過去のものに比べると質が向上しています。
介護士が利用者に対して提供しているサービス内容が多いため、言えば何でもやってくれる存在として認識されている傾向があります。その考えが行き過ぎると、職員のことを召使のように考えるようになってしまい、そこからハラスメントが発生することも少なくないようです。
2つ目は、介護職員側が要望を聞きそれを叶えるのが当たり前と思われているからです。介護のケアプランを作成する際、利用者に対して介護施設側は要望を聞き出します。その際に、聞くだけ聞いて、できないことの説明を怠ってしまうケースがよくあります。対応が難しいという説明をしないままにしてしまうと、利用者はすべての希望が叶うと勘違いしてしまいます。こうした意思疎通のすれ違いが、ハラスメントの増加の要因になってしまっているのです。